読み返してみる。ほどの量ではないが。

主人公の種田・・・ああ、芽衣子が主人公かもしれないが、
どちらでもいいや(笑)、
種田が結局事故って死ぬ前に、
本当に自分は幸せなんだろうか、本当に?、本当に?で
3回くらい本当にと問うている。

それは、学生時代からやってきたバンド仲間で、
今まで間があったが、一発奮起してとった音を
レコード会社に送りつける。

結果、1件話があるが、断る。

これで、終わりにしようといって、
仕事につき、そして、バンドは趣味でやりたいのだという。

その後に、種田は問う。
そう決めて、実際に仕事にもつけたし、今後はそれでいいのだと
思うと芽衣子に電話で話した後に、種田は問う。

本当に?

人生は短い。
バンドマンとして成功する・・・のは
1つの夢だろうが、でも、そういう主観のみでは
実は絶対に人生は構成されない。
まれに「主観」のみが大事って人はいるけど、
それは大げさ。多分、それくらいいって、丁度いいとか
そういう悪げなさがある人が多い。

で、実際には種田は自分の才能、バンド仲間の加藤とビリーも、
才能云々についてはいっている。才能があるよりないって。

客観視。
自分ら、自分がどれくらいのレベルなのか。

なぜそんなことが必要か?
そう。趣味とは、自分で好きなように好きでやって、
誰か何を言っても、それは関係ないと割り切れるものが
多いことだ。
つまり、他者の介在がほとんどないものといっていい。
また、他者にペースを握られることはないものといっていい。
さらにいえば、関わらずに出来ることといっていい。

自分たちの歌詞、メッセージ、音楽は
やっぱり良いと思っている。
だから、多くの人に届けたいんだ。
それってやっぱり、趣味ではないね。

種田が死んだのはいいとして、
芽衣子のその後は、2巻に書かれている。

思うのは、この本は死者の悲しみとかではなく、
そもそも、仕事って微妙だなってところを、
分かりやすい切り口として、バンドマンみたいなところで
書いているところ。

主人公への共感はあまりないが、
気になる本だなあと読み返して思ったりする。

例えば、無気力みたいなのがあるとしたら、
一昔前の三無主義(笑)みたいなのとは
今は違うんだろうとか思ったり。