合気道は、相手の勢いを利用する。
転じて、生き方も、自分自分自分ではなく、
相手との関係性のなかで、出来ていくもの。
ただ、関係性という点をそこまで重視している風には
読めなかった。それは別にいいのだけど、
あとがきにあるが、やや矛盾している点も
あることに注意。

それは、1つ1つがテクニックであって、
ポリシーではないという著者の見解があるわけで、
そこは深く読むべき。

自分がある、こうしていきたいという考えみたいなものと、
この著者の生き方、テクニックは交えにくいものがあると
率直に思うが、この本を買った理由として、
逆の視点が欲しかった。だから、
結構ひっかかりが多くて役に立った。


・理解できないものを作る
これはある種天邪鬼すぎかもしれませんが、
分かり易いものって、いいんだけど、それだけではやっぱりですね。

・営業パトロール
これは、著者が面白い仕事を探しに社内を回った話。
面白いですね。

・チャンスに照れない
これは、僕の一期一会、もしくは人生ワンチャンス、
あと、なるようになる、これでいいかも(これでいいのだの誤用)、
この1投に想いをこめる。みたいなのと同感。

・優先順位をつけない
この根拠は、10個あったら10個全部やることで、
また優先順位を低いものからやることで、
高いものは高いから必ずやるという心理を利用してやるってことです。
そうすると、全部が結びついて10個が有機的に結びつく。
が、ふと思ったんですが、著者は、追い込みやそういう心理を好むタイプ
なので、多分そういうのが苦手な人、
例えばこれでやれっていったらそれでやるみたいな、
人は多分無理でしょう。
例えば、10個あって、どれやっていいんですか?みたいな人で、
どれかいわないと分からないなら、無理っすね。

・今日で終わり
そうすることで、明日に力を残さない。
これって結構いいですね。自己啓発本でも結構ある話ですが。
でも、こういうのっていいと思いますね。
ある種刹那的ですが、戦略と、人を見る心があれば
最強のような気がします。
今日もあるけど、明日がある。

・初対面の人が仕事で緊張しながら人見知りしながら深まっていく過程
確かにこれは僕も好きですね。
飲みにいくとか、って実は仕事でコミュニケーション取れてないだけ
かもしれないなあと。それって、悪い意味で、ですよ。
酒とか、仕事以外のところでしか、いえないなんて
そもそも、仕事に対して姿勢がなっとらんわけですわ。多分。
これは正論とか理想ではなく、多分僕はそういう考え方と
生き方を選んでいくかなあと。

・自分から謝る
わざと謝って相手を対等にするとかもいいかも(笑)
ああ、これって仕事で言われたことがあるんですが、
同じことが。それは、客に謝るなと。こっちの弱みというか、
悪いことをしたところで、何か言ってくるみたいな。
いわゆる事故起こしたら相手が悪いっていう雰囲気ですね。
分かるんですけど、それって損得で、損しない生き方を
選んでいて、多分得できない人だろうって思います。
著者は、すぐに素直に謝るっていうわけですけどね。

僕も同感で、例えば政治家の妙な発言が取り上げられるのって、
変なおごりや、変な「頭でっかち」すぎる言葉を作りこんだ
結果なんだろうと。要するに、ごめんごめんいってりゃいいとか
そういうことじゃなくて、悪いなら謝れよと。
そして、自分からそうしていくと。

・リバウンドアタッキング
ラーメン20年よりも、タクシー18年で2年ラーメンのほうが、
同じ20年でも、リバウンドとして、タクシー視点での
ラーメンが2年で詰まっていいものができる。
みたいな話。
要するに、20年やっている人と、2年やっている人は、
全然違うとは一瞬思うけど、内実は分からん。
実は、20年やってきても、そこで、日々新しくしていかないと、
多分、20年分の価値はない。2年でもし追い越されたら、
ここで追い越されるとは何を意味するかはスルーするが、
それって、経験ではなく、単なる年数だねって言えてしまえる。

だから、同じことを続ける人はすごいとは思うけど、
それだけで、圧倒的な力があるとは思いづらいと
最近は思ったり。20年でも、1年に1回で20年なのか、
毎日やって20年なのかではまた比較しづらいし、できない。


この本は、ひっかかりが多くて、大変良かった。
といって、何か共感できるというよりも、
考えさせてくれる。だから、いちいち自分の頭で
考えてみて、どうなんだろうと、対話しながら
読むと深みが出てくる本かなと。





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