紹介あり。面白そうなので。

全体的に、ストーリーの変動はない。
一定したリズムで流れる会話は、テンポの良さではなく、
スローなリズムが一定で流れる。

話は、かもめ食堂を外国で開いた日本人女性と
そこに関わってきた同じく日本人女性との
成功への経営ストーリー。
ではないけど、最初は人が来ないのに最後はうまくいく。

ビジネス的にいえば、原価とかほとんど分からないので、
参考にはできない(笑)
また、なぜ人が来るようになったかは、
他の仲間?が来てからってのがあるけど、
単純にしぶとく粘るのがいいかもしれない。

個人的には、優しすぎて女性が好きかもしれない話の雰囲気を悟る。
ただ、それは悪くないという。
こういう素敵な食堂があって・・・というよりも、
真面目にそういう場を実現するのが僕の姿勢か。
どっちがいいかというと、多分どっちもどっちかなと。
要するに、「天国の本屋」ってあるけど、
あれをどう捕らえるか。恋愛ものとしてみる人は多いけど、
あういう本屋が天国にあったらいいとか、
なんかそんな風に見えない今日この頃(笑)

実現可否を問いたい。
実際に、主人公のサチエは38歳で、女性。
そういう人がヨーロッパに知り合いはいたものの、
単身で乗り込んでいくというのは、相当のものかと。
また、他の仲間の、40代、50代のこれまた女性も、
単身で乗り込んでいる。
その設定は、今現在の日本人女性には偏見かもしれないが、
当てはまらない。

多分あと、10年20年したら全然違うのだろうけど。

素敵な食堂や、夢、もしくは幸せとかいっているが、
実際には最初の仲間であるミドリの指摘が現実的。
そして、サチエは実際には、1億円を宝くじであてている。

多分ここがポイントなのだと勝手に思うけど、
お金があって、若くない?女性(女性はいつでも若いのです)が、
店をやってみるのはいいとして、
そのお金を貯金して使っていくことはなかった。

何かしら、自己実現とか挑戦の気配が感じられる。
多分そう読む人は、このかもめ食堂、の読者は多くないかも。

人が来ない食堂で店をやり続けるのは、
相当しんどいし、普通はやらないので。
それをリアルに想像してしまえる人はまずやらない。

サチエはそういう意味で、やってなんぼの価値観があって
非常によろしい(笑)

P.162にあるサチエの言葉が印象的。
それは、自然があればいいとかじゃなくて、
しゃんとしている人はどこでもしゃんとしていて、
しゃんとしてない人はダメな人はどこでもダメ。

これって、昔、
「馬鹿はいつまでたっても馬鹿」
とかと全く同じ話かなと。

環境のせいにしてもいいけど、
環境そもそも選んだのが「自分」という
主体の存在、意思ですな、が
なきゃ、どこいっても、常に不満足だと思ったりする。

落としどころをそういう意味でつけてないと、
常に人生の放浪者。スーパートランプですわ。
それが悪いとかいいとかじゃなくて、
どこでもそんなに変わらなくて、
環境、とくに旅なんてすると、自分に全て降りかかってくる。
一人旅が出来る人って、多分その強さがある。
自分と向きあって、そこから何か得ようとしている。

それなんだろうなあと気づく。

かもめ食堂は、かもめが出てきそうなので、
あまり行きたくないのが本音(笑)
もちろん、冗談だけど。

少子高齢化という点とか、
社会的なことも考えて読むと、
この3人の女性って設定が非常に面白いかと。
ちなみに、いつからでもはじめられるのが
僕のモットーです。自分はそうじゃないかもしれないが(笑)


かもめ食堂 (幻冬舎文庫 む 2-12)かもめ食堂 (幻冬舎文庫 む 2-12)
群 ようこ

幻冬舎 2008-08
売り上げランキング : 928

Amazonで詳しく見る
by G-Tools