長澤まさみのタイトルで観ようと思ったが、
ひなみ役の香里奈が良すぎる。むむむむ。

深呼吸の必要というタイトルの話は、
冒頭の水泳のシーンから、かなり引っ張って、
やつ(笑)が倒れた後の、元医者との会話で
出てくる。
深呼吸の意味など、とくにないが、言葉どおり「気分は変わる」
ような気がする。本当にその通りだといっていいだろう。

最後のキビを取るとき、
脱走する仲間!が戻ってくるとき、雨の中、やつを探すとき、
こういったシーンは、残念ながらかなり現実的だ。

季節バイトをこなす人々が確実に存在し、
そして意外ではなく、「チャリダー」とはその関係は深い。
チャリダーであり、フリーターであり、旅を好む人は、
この旅生活は結構心地よい。

やつは、なんで偉そうなのといわれるが、
結局、やつが仕事ができるという、仕事できる、働きマンという
視点でみても、別に文句はないだろう。あまり見ないと思うけど。

何か、心にある、から、ここにくるんだ。
そういう指摘は図星で、皆がそれぞれ何か持っている。

ひなみは、そういった風には見せない感じが出ている、
派遣で勤めているからというのは、なかなかその通りだと
思わせるが、別に派遣で勤めていて、キビとかそういうのを
狩ろうと思わない人は大勢いるだろう。

野球でというのもある。
リストカッターの彼女もいる。

小児科医師もいる。

キビ狩りという仕事において、あまり、深く、考えることは、
おそらくない。
キビをみて、考えるキビとはいえないのだ。
なんくるないさーでしかない。
そうやって、人々、いや、沖縄は乗り切ってきたかもしれない。

いや、パッチギでいう、お前らに何が分かるかの視点が、
結局あるのかもしれない。

おじいとおばあの、と、やつ(笑)は、
毎年のように、人を招いて、アルバイターを雇っているわけだ。
それは毎年のように繰り返され、また流れる。

まるで、何かの養成所でもあるし、ある種精神病院(この言葉は今は差別語か!どうなのだ!)のサナトリウムみたいかもしれない。

深呼吸。
弱い人間。
強い人間。
そして深呼吸。

そういうものが描かれた世界を見ると、
結局、深呼吸をして、明日も「なんくるないさあ」といって、
生きたくなるんだ。