103ページの自分を笑うという感じの章がある。
これはかなりいい。やはり笑いの本質は、
自分を笑えるかどうかである。自分って馬鹿でしょうといって、
本当に馬鹿だと思い込んでそのままなのは重症だが、
馬鹿でしょうといって、笑う人間は人生経験がまだ14年しかない
僕にとってもあまりいない。

という意味で、そういう人間とは多く会いたいものだ。
そう。「わたしって馬鹿なのよね(笑)」である。
自分のことを馬鹿と思わない人間ほど嫌いな人間はいない。
よし。

最後の章で、「何も考えないで楽しく生きる方法」みたいなものがあって、
それはほとんど笑えなく、さすが土屋氏だなーと思わず思ってしまった。
話をまとめると、衝動とか欲とかで、感覚的にいきればいいやーって
思ってしまうのも、すなわち考えるのだから、何も考えないでなんで無理よねーという感じの流れの文章な気がするかもしれないかもしれないかもしれない。

とにかく、決められた人生を歩もうという人間とは話が合わない。
むしろ、決める人生を歩かないというスタイルになれば大歓迎だ。
同じ結果を別の観点からみるのが人生の面白さであるが、
それを笑いにしなければ、やはり笑えない人生になるかもしれない。


で、大分笑わせてもらったので、あまり電車とかカフェとかで
読まない方がいいっす。


われ笑う、ゆえにわれありわれ笑う、ゆえにわれあり
土屋 賢二

文藝春秋 1997-11
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