ヘーゲルに還れ!
いや、ロボットでございます。ダチからゲットでちゅう。

内容は至って簡単にいうというか、それまでなのだけど、
人間がロボット作って、労働をロボットにまかせたものの
なぜかロボットが人間を殺しはじめて(ここらへんは暴走ではなくて
ロボットでも指導者がいるところが面白いが)
殺しすぎてしまったたために、ロボットはロボットを生み出せなくなって
生き残した人間に願うが叶わず。
ところが、なぜかロボットだった二体が人間となって終わる。

劇なんで台詞ばっかですけど、想像力は豊かにどうぞ。

面白かったのは、まあ時代背景とかその国(ヨーロピアン?)とか
あるんだろうけど、表現が良く出来ているという点。
ところで、頭が良いというのは、先が見える人のことなのか?
という問いをたててみる。おそらく違うっぽい。
なぜなら、たまーに頭が良すぎるから、先が見えてそれをしないという人もいるというか「そういう話」は聞く。
なぜか、リアルで身近だと、「ただの実行力がない」人間にしかなみえないのは世の無常か!

それはともかく。
人間はロボットを作ることで、まさか自分たちが殺されることを想像したわけじゃないだろう。ただロボットに全労働を任せれば、人間は何をやるのかという問いは消えそうもない。
現在仕事をしているが、もしこれが全く消えてしまうと、果たしてどうなんだろうと。

おそらく「仕事」というと誤解されるだろうから、
何かを生み出す行為といってみたい。この本にも、「こどもを産む」という言葉が何度も出てきたような気がする。
それは、やはり「創造性」というところ(神秘的ってのはここでは関係ない)で、何か生み出す、それは作品でも、生命体でもだが、
それこそが人間らしさというものではないかといえそうだ。

だから、何も生み出してない仕事は仕事ではなく、作業といっていい。
そういう作業はロボットでも可能だ。ロボットには創造性は皆無だといっていい。
というか、そういうものを「ロボット」と呼んでいるわけで。

さらに突っ込むと、人間とは一人一人が違うってところもポイント。
劇途中から、ロボットに痛みを感じるようにするとか、そういう話もでてくるが、基本的には一緒だろう。
人間はみな違う。だからこそ、面白いのだけど。
愚かなり。人と同じであることが美などとのたまうのは!
愚かなり。おまえはロボットか!

いかん、過激になってきたわ。
この本危険だ。ロボットがまじめに生産されだしたら
おそらく禁書扱いになると思われます。だって、人間殺されるからね。
ええ、60億くらいが全滅ってことですわ。怖すぎっす。

というわけで、あっざーす。


ロボットロボット
千野 栄一 カレル・チャペック

岩波書店 2003-03-14
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