まいるさんのレコ(レコメンドの略、お勧めの意って、なぜに注釈?)

面白い。宗田理の七日間戦争シリーズじゃなくて、「ぼくら」シリーズか、と
ズッコケ三人組とかのズッコケシリーズと、あとは何だろう。
小説じゃないけど、キンパチ先生か。キンパチさんって中学だったよねえ。
そこらへんがミックスされた感覚。個人的には石田氏の世界観というのは
感じなかった。というか多分これは世界観って言葉じゃないなあ。ふがが。

例えば、ある小説にはその作家の書きたい世界観(というか世界観なんて
作家が書きたいかどうか分からんし、そもそも読者の感想なり批評も全て
作家から見れば「違う」こともあるんだろうけど、ってことを踏まえた上で)
があって、それがうまく伝わるかどうか、
みたいな小説じゃあないと思う。というか、思った。

自分の中学生の時ってヤツラ(笑)と比べて「非活発」だったので、
元気やねーと昔を懐かしむ。にしても、今でも腰履き(腰パンと僕らは呼んでたが)した
ズボンの子おるのね。なんかイカスね。ちょっとバカにしてみます。

で、チャリ好きとしては、テツローの乗ってるチャリが気になってたりしますが(ジュンも乗ってますがね)、
ま、彼の発した言葉で「我自転車を漕ぐ、故に我有り。」
なんてのがあるので、やっぱテツローはですね、あとがきにあるような、
普通の少年じゃあないと思うわけですよ。4人のバランスが取れていたといえば
それまででんすけなんですが(ん?)、多分違うなあと。

そう。つまり、受容というところで、人間レベルとして度量や底が浅いと
やっぱり受けきれないんですわ。だからそういう人間は相手のことを聞けない。
ってことで、個性っていうありふれた言葉でいえば、テツローは個性はないが、
受容レベルが高い。だからこそ、残りの3人のとやりあえるわけですわ。

もうちょっと書いてみますか。
って本当は、単にデカルトちゃんの言葉とリンクさせた「チャリ好き」発言がいいなーと
思っただけなんですけどね。

で、書くことについてまた思い出したのですけどね、カズヤだったかな?
っていう、芸能人になるっていう同級生が出てくるんですよ。
その子は、いわゆる「空気が読めない」というか、見てて痛いというタイプの設定で、
まあ、それはどうでもいいんですが、突っ切る力とは彼のようなパワーが
多分必要だなーと思ったりしたんですわ。
それは4階だったかな、窓から飛ぶと言って、本当にとんだところから分かります。
彼にとって、あらゆる「フードファイトバトル」みたいな企画や「スプーン曲げ」企画は
決して遊びではなくて、本気だった。が、実際に成功しないわけですが、
それでエンターテナーとして自分は失敗していることは、分かっているでしょうが、
それはわかってないぜというレベルで次々と企画を繰り出すわけです。

そして「飛んだ」
おそらく、なんでそんなことをするんだと思ったり、そういう疑問は
当然なんですけど、やはり一興レベルでしかない。 つまり、飛ぶのも一興(命落としちゃたまらんですが)であり、それを疑問に思うのも一興。

限界を越えるという話に無理に結び付けられないですし、そこまで昇華させるのも無粋(笑)なので、いいませんけど、
やはり、人と同じじゃいかんにゃーと思うわけです。

人と違うことに価値があると思う人と、人と同じだから価値があると、
もちろん、人間の心の温かさが人と違うのはちっとマズイですが、
まあそこらへんは適当に解釈してくだされ。

というわけで、14歳のhirohiroさんからのお届けでした。(ほう


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石田 衣良

新潮社 2005-11-26
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