やっとこさ。
なるほど。こりゃ結構くるね。

多分、精神病棟とか、今って精神科って言っちゃまずいそうだったかな、
そういうのの雰囲気が伝わってくるもの。多分それだけじゃないんだろうけど。

ハッピーエンドな小説を求める人はこんな本まず読まないね。
一応主人公は退院して出ますけど、ハッピーなんすかね。

自分が主観としているものが、反抗であるとしたらどうします?
つまり、こうですわ。

自分は正しいことをしたと思ってた。が、それは犯罪であったとか。

で、犯罪ならともかく、精神病院行きだとか。

例えば、障碍を持った人は、その世界観があると思われます。
ただそいつは僕も同じで、一応健常者といっていいんですかね、そうなんで、
そういう世界を持ってる、だけです。
世界が違うから全く違う人間かといえば、そいつは逆で、人間が同じであって、
たまたま世界が違ったと捉えるのが僕としては好きです。

一人暮らしの高齢者を狙う空き巣とか、泥棒。
力の弱い女性を狙うスクーター小僧。そういう人はまず、世界というフィールドに
あがってこれません。
昔は悪いことしたな、といってる人は、フィールドにやっと立てたといえるんでしょうな。

で、障碍と健常の世界ですが、それはそれであって、
では精神病棟の世界もあるわけです。そういう世界の1面を描いた作品といっていいでしょう。

ホームレスのおっちゃん(おばちゃんもいるんでしょうが)の世界も、
あるかと思います。またそういう世界は色々です。

最も大勢の世界が最も柔軟かといえば、おそらく最も固い気がしてなりません。
サラリーマン世界は柔軟でしょうか。柔軟ではなさそうです。
例えばハンセン病などの特定の病などでマイノリティーとして集まる場合がありますし、
他にはアルコール依存症とかね。そういう人の世界は柔軟かといえば・・?
柔軟かどうかでは表現しきれないことが分かりますね(おぃ

カフカの変身みたいなことは、フツー起こらないと思いますが、
例えば事故でケガして、っていうパターンなら十分起こりうる気がします。
相手を叩くとは、相手の立場を考えず発言することだと同意で問題ありませんな。

というわけで、色々な世界を見てみたい人にはおすすめです。
この人劇作家なんだよね・・・。知らんかったさ。


クワイエットルームにようこそクワイエットルームにようこそ
松尾 スズキ

文藝春秋 2005-12
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