さきっちょ先生のすすめあり。

とりあえず、文庫ネタにいいのかと思い、「さぶ」と共に購入していた。

2時間くらいで読めた。1時間で120ページ。あれ、大分読むのはやくなったなあ・・・って、小説だし、世界観が結構しっくりくるなあ・・。それが理由かしら。

吉川英治文学新人賞受賞作なんで、知ってる方多いカモヒヨコ

パイロットフィッシュというのは、おそらく実験的魚(じっけんてきさかな)なんでしょうね。要は、水槽の生態系を整備するために、投入される「斬りこみ隊長」「偵察+最前線」みたいなものですね。つまり、役目が終わると・・・。

この本を読んで、野郎(=男)なら、2回はエレクトするでしょう。エレクトって何だって?僕の口からは言えませんね。うおー。魚

文中に出てくる本を読みたくなるのは僕だけなんですかね。今回は「旅路の果て」という本が、ある種テーマになっている気がします。

また、透明感があるというのは、このパイロットフィッシュと、水槽がキレイとか、あと途中に出てくる渡辺さんの水の話、そういうところで透明感を感じることが出来ます。あとバイカル湖の話もありますしね。いたるところにあるかも。

「旅路の果て」というのは、ジョン・バースという人が書いた本みたいです。僕は知りませんが。

p.156

「どんなに長い長い旅にも必ず終わるときがくるということに似ている」と沢井は『旅路の果て』の一節を僕に聞かせてくれた。


色々な感想や意見があると思います。本って。
僕が読後に思ったのは、「パイロットフィッシュ」って何だろうってことです。この作品の中では、誰なんでしょうね。主人公の山崎かもしれないし、他の登場人物かもしれないし。よく分からないです。

パイロットフィッシュ。

教授の話を思い出します。僕に別視点からの意見を言ってるだけかもしれませんが、
「NPOとかって結局政府が動かないからやるんだろうけど、逆に政府は何もしなくてもやってくれるから、奴隷みたいなものだよ」
といってたのを思い出す。奴隷?ではなかったかもしれない。でも、そんな言葉だった。

この場合、NPOはパイロットフィッシュなんだろうか・・・。政府とか、利権とか、どうでもいいようなことを無視して、結局動く人がやっているんじゃないのかな。NPOやってる人に失礼だなと思うのだけど。まあいいか・・。


p.224

「それにね、私思うの。例えば右と左に分かれる道があって、右に行くことが楽しいと確信して右に進んでいく人間と、正しい道かどうかもわからずに、だけど結果的には右に進んでしまっている人間とどちらが優秀で、そしてどっちの人生が楽しいのかって」


深い。どっちなんでしょうね。
僕はどちらかといえば、由希子のように、一度決めたほうを突っ走るタイプですが、どうもそんなに強くないところもあるようで。
かといって、山崎のようにフワフワ感はみじんもないわけでして(笑)

パイロットフィッシュ。

心理学で実験をしようという時、パイロットスタディというのがある。試験的実験みたいなことだろうか。それをやるやらないじゃ多分、全然後が違ってくる。僕はやらずにとんでもないことになったなあ・・・(笑)

パイロットフィッシュはタイトルだけで、結局最初にあるように「人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない。」のがテーマかなと思います。旅路の果てもテーマ。連続するテーマ。

変な人との出会いもあるわけですけど、その分、素敵な人との出会いってまあ、嬉しいわけですね。一度であったら二度と出会わなくても・・・別れることはない。なぜなら、そこには、記憶というものがあるからだと思います。1度あった印象やらイメージを記憶にしておけば、忘れても、はっと思い出すときがある。
それを著者は言ってるんだと思いました。(ほー

僕が今まで出会った人へ。
もう会いたくない人もいるけど、とりあえずありがとう♪

こんなこと言えるなんて。ツイてる!

本っていいねカエル


パイロットフィッシュ
大崎 善生

発売日 2004/03/25
売り上げランキング 3,636

おすすめ平均
読後1時間後、なぜか泣けてしまって
とても繊細な話
しみじみとイイ本だぁ!

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