久しぶりの本読みメモ。

石田衣良の作品。
結構最近のもの。一気に読めるタイミングで読んでしまった。
文庫は最近だが、単行本は2008年ちょっと古いかな。

フレーズとして、著者が主人公である水越千春に語らせているか、
または先輩OBやOGに語らせているような気がしてならない。
それは良い意味でだ。

マスコミ業界というシューカツの象徴。
つまりそれは、一連の流れがシステム化されているということ。
そして、選考に残れない(という考えもどうかと思うが)人はどんどん
手札がなくなっていく恐怖。その恐怖は何度も書かれ、
新卒というゴールデンチケットがなくなることで、仕事につけなくて、
社会の居場所がないというところまでいく。その不安だ。

しかし、そういった「シューカツ」システム自体に「誰だこんなモノを作ったのは」と
シューカツチームの良弘が言ってた気がする。

また、「シューカツを終えてもざわざわした葛藤とか、仕事に対するもやもやとか、
そういったものが全てクリアになるわけではなく、それを抱えていく」といったような
言葉も誰かが言ってる。非常に的をいているなあと思う。

おそらく著者は、シューカツ生にエールという部分もあるし、
また仕事を決める上で楽しんで、色々考えて欲しいとも読み取れるし、
また、最近の学生のシューカツを題材として書くと面白いと思ったなど
色々ありそう。

個人的には、宗田理のぼくらの七日間戦争的な、ちょっと皆で集まって
わいわいやってやろうぜ的な雰囲気が非常に好き。
中身は違うんだけどね。

シューカツ! (文春文庫)シューカツ! (文春文庫)
著者:石田 衣良
文藝春秋(2011-03-10)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る